プラスチック金型

寸法精度や面粗度など、高精度を要求されるプラ型の処理は、変形を抑えるため480℃以下で処理を行っています。
(ただし、金型加工時の加工応力が大きいと変形する可能性があります。)
また、硬化層は材料特性に見合った表面硬度が得られるため、耐摩耗性および耐久性においても高評価です。

窒化処理での靭性(粘さ)値が高い

下記写真は、48HRC程度に焼入焼戻をしたSKD-61材に、EH処理(左写真)とガス軟窒化(右写真)を行い、
その表面をロックウェル硬度計(HRC)で測定した際の圧痕写真です。
ガス軟窒化は圧痕縁にクラックが発生していますが、EH処理は発生していません。
この事はEH処理がガス軟窒化より靭性が優れていることが考察できます。

EH処理
EH処理圧痕写真(表面部割れ無し)
EH処理には白層(化合物層)が希少でシボ面及び鏡面部に処理が可能。白層が希少な事からEH処理+表面処理が可能。
ガス軟窒化
ガス軟窒化圧痕写真(表面部割れ有り)
ガス軟窒化には白層(化合物層)があり。硬くて脆く不清浄でシボ面及び鏡面部には適さない。
他に類を見ない抜群のつきまわり性
複雑かつ精密なプラ型には、細いスリットや深孔が多数存在することから、
全体をムラなく処理する、つきまわり性に優れたEH処理をお勧めします。
局部摩耗を防ぎ、金型の耐久性アップに効果があります。
EH処理と他社窒化処理との
つきまわり性の比較データ

材質NAK55 寸法30x30x25 矢印部にφ0.6とφ2.0に貫通穴をあけ硬化層の検証

Surface A

Surface A(表面部)にはEH処理と他社窒化処理にも硬化層が確認できます。

Surface B・C・D(内径部)にEH処理は硬化層が確認できるが他社窒化処理には硬化層が確認できない。このことから、EH処理はつきまわり性に優れている事がわかります。

製品部などの複雑形状でも硬化層が得られることから耐摩耗に優れライフUPに繋がります。

Surface B・C・D  EH処理
Surface B・C・D  他社窒化処理
シボ加工にも対応
シボ仕上げを行う金型に窒化処理を施した場合、シボ加工面に面粗さや艶に微妙な違いが生じることから、窒化処理を行うことを懸念されることがあります。しかし、EH処理では<前シボ>をした金型でも処理後そのままの状態でご使用頂いています。
また、<後シボ>でも表面硬度が均一に硬化されるため、均一なシボ面が得られ耐久性についても問題なくご使用いただいています。
シボ加工面のテストデータ(自社比較)
EH-M処理の面粗さ比較データ

試験材:STAVAX材(プリハードン)
母材硬さ33.5HRc

EH処理前
EH処理後
窒化後の磨き#14000仕上げも可能

鏡面金型向け PB窒化(PianoBlack)「 PB 14000」を開発
窒化処理後の磨き工程で「鏡面磨き」をしてもヘコみ(dent)、エクボ化にならないPianoBlack窒化

PB14000 #14000仕上げを可能にしたスタンダード仕様
※PB14000EXスタンダード処理より長い時間をかけて結晶粒を整える処理を追加した特別仕様

磨きを可能にした5つの理由とは

  1. ① 均一な硬化層を生成・・・エクボ化に影響
  2. ② 緻密な硬化層を生成・・・#14000仕上げに影響
  3. ③ EH処理後の窒化層磨き法を確立・・・処理前磨き#8000を推奨 (処理後 磨き代 5μmを目標)
  4. ④ 最高の緻密化を図るために、材質によっては特別な 工程(析出硬化結晶 粒均一化)が必要となります( EX-HEAT )。
    ハイコスト& Long process (OPTION)。
  5. ⑤ 金型としての使用材質とお客様との最終工程までの綿密な工程管理をすることで#14000仕上げが可能となります。
    Note. お客様と弊社 営業担当者との打合せの際、磨き方法について確認させて頂くこともあります。
EDISONHARD Process –
Technical Data
SKD61 PB14000

CONFIDENTIAL
(for Piano Black)

Nitride layer characteristic/Surface section and hardness curve
Hardness curve
EH処理鋼種別硬度表
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